お客さまの喜びが、私たち作り手の喜びです。

原料・カットの匠

篠田幸男 勤続17年 「魚にあふれているまち・銚子」で、まさに魚に囲まれて生まれ育ってきました。 兆星では工場長として、約60人の仲間たちと一緒に毎日魚を捌いています。扱う魚はだいたい一日平均10トン、数にすると33,000から35,000尾になりますね。種類はアジにホッケ、サバ、サンマ、色々です。 入社したばかりの頃は前任の工場長について教え込まれたんですが、最初は魚をまともに持つこともできなかったんです。でも魚は毎日、次々入ってきますから。どこをどうすれば良いかとか、だんだんわかってくると面白いですし、形をきれいに保ったままスピードもアップしていきました。 魚はあまりホールドしすぎると体温で品質が劣化します。手早く作業を進めることが大事です。年齢や性別も様々な仲間の職人さんたちと一緒に進めますから、ここぞという時には声掛けをして、一体感や信頼感を形成できるよう心がけています。みんな仲の良い、居心地のよい職場ですよ。 釣りが趣味で、休日も魚と一緒ですよ。捌いた魚を美味しそうに食べる子供たちの笑顔を見ると、続けてきてよかったなと思いますね。

冷凍の匠

宮内俊昌 勤続30年 冷凍庫で原料魚や仕上がった製品の積み下ろしを担当しています。室温はマイナス20℃から30℃です。ご家庭の冷蔵庫と同じで、開け閉めの際の温度差も影響しますから、夏場などは特に気を使います。 仕事の内容は、冷凍の状態で届いた原料の魚を収めたり、加工後の製品・半製品をストックしたりするのが主な業務です。とにかく数が多く種類も様々ですから、間違えるわけにはいきません。どこの棚にいつ、どの品物が入っていつ出庫されるのかとか、すべて頭に入っています。 普通の人だと数十秒が限界だと思います。私でも最大で10分くらいしか続けては入っていられません。事故をおこさないよう、安全管理の意識が大事です。ただ、このフォークリフトは工場内で唯一暖房が入るんですよ(笑)。担当者特権ですよね。 兆星の製品を召し上がっていただけるお客さまは、おかげさまで年々増えています。美味しいですから、たくさん食べていただきたい。そう思って毎日冷凍庫でがんばっています。

佃煮の匠

宮内恵子 勤続26年 兆星の佃煮の味は、すべて舌が覚えています。昔はね、どこでも自分のうちで炊いていましたよ。昔の味を守って、変えないように作り続けること。言ってしまうと簡単ですが、なかなか難しいです。元のタレを残して、そこに原料を加えて味を調え、同じになるように保っていきます。ただしょっぱいだけとは違う、煮付けのような深い味わいです。 火加減も大事ですよ。強火は絶対にいけません。とにかく弱火で、かきまぜたらだめです。皮がむけてしまいますから。味を確かめながら炊けるのを見守ります。そうすると、小骨まで柔らかく食べられる、美味しい佃煮になるんです。子供でも安心して食べられますよ。 一釜で100g入りが350から360個くらい作れます。それを10釜。以前は熱いし釜は重いし、大変でしたが新しい設備に代わってだいぶ楽になりました。 好きで続けてきたことですし、頭もさえる、気も張ります。楽しい職場ですよ。

検品の匠

青柳好枝 勤続45年 兆星では干し魚から焼魚、佃煮、レトルトの煮魚などたくさんの商品があり、形態もパックや冷凍など様々な種類があります。そのすべてを、一品ずつ検品していきます。抜き取りではないんです。全数検品。一日で何万という数になりますね。 次から次へと運ばれてきますから、のんびりやってはいられません。間に合わなくなるし、製品の鮮度にもかかわります。 集中して見ていれば、おかしなものは分かります。「おや?」という感じで、違和感があるんです。気が付くと目と手は、別々に動いていますね。チェックした製品を合格のトレーに移しているとき、目はもう次の製品に行っています。 例えばレトルトパックに骨が残っていたら、食べるときに刺さってしまうかもしれません。賞味期限のラベルが古かったら、せっかく作った製品が無駄になってしまいます。そんなことにならないよう、兆星の加工魚を安心して召し上がっていただけるよう、私たち検品の責任は重大だと日々考えています。

製品開発の匠

野村雅俊 勤続1年 私は兆星に来て間もないですが、水産加工の業界歴が30年になります。製品開発を担当していますので、ちょっと通常のラインとは異なる仕事になるかもしれません。 開発の姿勢には二通りありまして、一つはお取引先さまから「こんな商品がつくれないか」とご相談をいただいて始めるケース。もうひとつは現場や社長などから「こういうものを作ってみよう」と取り組む自社開発です。 開発担当としてはまず試作をしてみて、ある程度のものができたらそれを「たたき台」としてまず社内で試食してもらいます。場合によっては社外での実食調査も行って、早ければ1ヶ月で製品化まで。長いと1年から2年越し、ということもあります。 世間でいま何が求められているのか、というリサーチも欠かせません。時代や食を取り巻く環境要因で状況は常に変わっていきます。例えばこれまでなかった、店内で調理したかのような味・食感を持つ外食産業向け製品など、新たな取り組みも始まっています。そういう意味では、今後の可能性が楽しみな仕事と言えるのではないでしょうか。

品質の匠

宮内由美子 勤続15年 品質管理部の職務は、兆星の製品と会社の安全品質を管理することです。日常的な品質管理や事故対応、微生物検査や従業員の衛生・健康管理まで、幅広い範囲にわたって気を配っています。 私たちの製品は広く人々の食卓に上りますので、世界的な感染症の流行が問題になる以前から、多くの点でチェックを続けてきました。工場では制服や長靴の取り扱いにはじまり、従業員の爪や髪、外部からの持ち込み制限物など衛生面に十分注意しています。 兆星単独ではなく、お取引先さまとの連携を保ちながら「事故を未然に防ぐ」態勢づくりが重要だと考えています。重大な事案を抱えているときなどは、夜もなかなか眠れません。 入社しての15年は、あっという間に過ぎました。現場にはどうしても注意事項や衛生面での管理強化など厳しい話をすることが多いのですが、お客さまからうれしい反響のお声をいただくことも時々あって、そういう報告が伝えられる時は本当にうれしい思いがします。

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